HOME > 頻出の小説 > 山月記

教科書に必ず登場する作品

さて、頻出の小説教材として最後に紹介するのは、高校二年生の国語教材に必ず登場する『山月記』という小説です。山月記は、中島敦の短編小説で、中国は唐の時代に書かれたとされる「人虎」という作品を元にして書かれたものであると言います。その内容は、李徴という詩人を主人公として、ただただひたすらに詩を書き続け、役人としての登用を目指すも実らず、家族とも疎遠になっていきました。そうして数年の時が過ぎ、もともと友人であった袁慘が人食い虎が出るという山道を月夜に通りかかることに為りました。その友人が通りかかった時に、人食い虎が現れ突然言葉を喋り始めます。虎の言うには、自分は友人の李徴であり、長い時を経て体が虎になってしまった。今ではもう人間の意識を保つことができなくなってきているから、今のうちに私の作った詩を書き写してくれと言われ、袁慘はその通りにして詩を書き写します。その後李徴は山月の闇へと消え、その後袁慘はその詩を読み返し、素晴らしい出来栄えであると認めながらも、李徴の性格がにじみ出ていることに残念な点を感じました。それは、「臆病な自尊心と、尊大な羞恥心」であると言います。才能が無いかも知れない可能性を直視することに怯え、かと言って必死に才能を磨くことも嫌ったがために、心の中に虎が育ち、ついに虎になってしまったのだ、という内容になっています。 この小説に置いてもっとも良く取り上げられるのは、李徴が何故虎になったのか。ということでしょう。それを考える上で一番重要なのは、やはり袁慘の言である「臆病な自尊心と、尊大な羞恥心」です。この二つの相反する心がせめぎあったが為に変化してしまった、というのが一般的な見解であるようです。現実的に見ればありえない話ではありますが、中島敦の伝えたかったことを問われれば、こう解答するのが最も適切でありましょう。

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