HOME > 頻出の小説 > ごんぎつね

「すれ違い」を描く名作

さて、頻出の小説教材としてまず初めに紹介するのは、小学校5.6年の高学年向けとして収録されることの多い『ごんぎつね』です。ごんぎつねは、新美南吉によって著された児童文学です。その内容は概説するならば、イタズラ好きな子狐である「ごん」と、そのイタズラを受けていた猟師の「兵十」の2者によって展開していきます。「ごん」はイタズラが大好きで、村中そこらかしこでイタズラをし、村人たちを困らせていました。そのイタズラの一つとして、兵十が釣りをしているときに、魚篭に入ったウナギを逃がすというイタズラをします。この時はしてやったりというごんでしたが、その後、兵十の母親の葬列を見かけてしまいました。そこでごんはあのウナギが兵十が母親に最後に食べさせたかったものだったんだと知り、強い後悔に苛まれることになります。そこでごんはそれから、兵十に対して償いを初めて、魚屋からイワシを盗んで兵十の家に投げ込みました。しかし、それのせいで鰯泥棒として兵十が魚屋に殴られたのを見てしまい、ごんはさらに反省しました。それから先は、山菜などを自分で集めて投げ込むようになっていきました。しかし、兵十はそれがごんの仕業だとは知らず、神様の贈り物だと思っていました。そうして迎えた翌日、兵十は自宅に侵入するごんを見かけて、また悪さするのかと思いついに撃ってしまいました。するとそのごんが山菜を持っていたことから、兵十はようやく今までの贈り物がごんの物だと知り、後悔しながらごんが息を引き取るのを見る、というものです。 この「ごんぎつね」において、特に国語の授業で問題とされるのは、そのラストシーンの一文、「ごんぎつねはぐったりなったまま、うれしくなりました。」というもので、この一文の機微が、どういった意味であるのかを問われることになります。この文章の伝えたいのは、「神様のおかげだと思われていて、ごんは寂しがっていた」ということにあります。そのため、ごんは撃たれて今際の際にありながらも、自分の仕業だと知ってもらえて嬉しかった、のでしょう。この感情の機微さえ分かれば、『ごんぎつね』は難しい小説ではありません。初めて扱う長編小説でつまずいてしまわないように、気をつけて読んでみましょう。

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